【感想】『カオス:マンソン・マーダーズ』エロール・モリス【テート・ラビアンカ事件の裏側】

hut-6750482_640 映画・ドラマ

※当サイトでは、アフィリエイトプログラムを利用して商品・サービスを紹介しております

「洗脳とかカルト集団を題材にした映画ってある?」
「テート・ラビアンカ殺人事件では、具体的に何があったの?」

そんな人におすすめしたいのが本作で、カルト指導者チャールズ・マンソンに関わる事件や出来事、文化的な背景などを取り上げたドキュメンタリーです。

特にテート・ラビアンカ事件の裏側が印象的で、殺害当日に何が起こったのかが分かりやすく、犯行の残忍さなどが感じられます。またCIAによる非倫理的な洗脳実験との関係も取り上げられており、ただの殺人事件ではない闇なども感じられるでしょう。

そこで本記事では、実際にエロール・モリスさんが監督を務めた『カオス:マンソン・マーダーズ』を見た感想を紹介していきます。本記事を読めば、どんな内容が収録されているのかなどが分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください

基本情報

監督エロール・モリス
タイトルカオス:マンソン・マーダーズ
上映時間1時間36分(2025年)
ジャンルドキュメンタリー
出演者・キャスト
年齢制限16歳以上(暴力)
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
Netflixhttps://www.netflix.com/jp/title/81482892

概要・あらすじ

1969年8月、カルト指導者チャールズ・マンソンによる命令で、信者たちが7人を殺害する事件が発生。赤の他人を殺した動機は何か。洗脳やCIAの実験などの闇にも迫ったドキュメンタリー。

感想・おすすめポイント

  • 殺害当日の様子がよく分かる
  • CIAによるMKウルトラ計画との関係
  • 何年も解けない洗脳の恐ろしさ

本作は、信者たちに殺人を実行させたカルト指導者チャールズ・マンソンに迫ったドキュメンタリーです。

1969年8月9日、当時妊娠8か月半の映画女優シャロン・テートを含む5人が惨殺される事件が発生。被害者5人の刺し傷は計100を超えており、玄関先には「Pigs(ブタ)」とテートの血で書かれていました。翌日にはロサンゼルスに住むラビアンカ夫妻が殺害され、この事件でも「Rise(立ち上がれ)」「Death To Pigs(ブタに死を)」「Helter Skelter(ヘルター・スケルター)」などのメッセージが残されていました。

最初のシャロン・テート事件ではナイフ3本と拳銃1丁を手に、4人の信者たちがベネディクト・キャニオンにあるシャロン・テートの自宅に向かいます。まず、たまたま家の管理人と会っていた若者スティーヴン・ペアレンターを至近距離から4発撃ち込んで殺害。

窓から自宅に侵入した後、ソファで寝ていた映画監督ロマン・ポランスキー(シャロン・テートの夫)の友人・フライコフスキーを起こし、「俺は悪魔の仕事をしに来た」と銃を突きつけます。その後に次から次へと殺害していき、テートが子どもの命を助けてと懇願するものの、信者の一人が「あんたも赤ん坊もどうでもいい」「あんたが死んでも何も感じない」と答え、結局仲間とともに何度も刺して胎児もろとも殺害

ラビアンカ事件では、マンソンは事件前に「昨夜はメチャクチャだったから、今夜は一緒に行き、やり方を教える」と信者たちに伝えます。その後に車で一緒に移動して自宅へと侵入し、信者たちは夫妻を後ろ手に縛り、最初に夫レノ・ラビアンカを刺殺。妻・ローズマリーは夫のうめき声を聞き、夫の名前を叫びはじめるものの、結局腰辺りを16回ほど刺されて殺害されます

非常に残忍な犯行以外に、CIAが1953〜1964年に行っていたといわれるMKウルトラという極秘作戦との関係も印象的。MKウルトラ計画(作戦)とはCIAによる洗脳実験で、当時CIAは洗脳などによりプログラム化された暗殺者を求めていたと指摘しています。被験者に同意なくLSD※を投与していた可能性があり、マンソンが治療を受けていた診療所との怪しい関係が取り上げられています。
※「リゼルグ酸ジエチルアミド」の略で、幻覚作用を持つ薬物

またマンソンはLSDを与えながら説教し、自分の哲学を吹き込んでいく手口を用いており、信者たちは誤った考えを修正するのに何年もかかったそうです。信者・アトキンスは「彼が頭から離れない。忘れることができない。彼の思考が私を支配し、頭から離れない」と語っており、洗脳の恐ろしさも感じられます。

全体を通して、テート・ラビアンカ殺人事件で起きたことが分かりやすいほか、単純な殺人事件ではなく、ヒッピー文化※1やCIAの洗脳実験、ブラックパンサー(党)※2なども絡み合った悲劇なのかもしれないと感じられますね。
※1:1960年代後半のアメリカを中心に、既存の社会体制や価値観に反抗して生まれた文化運動
※2:1960年代後半から1970年代にかけて、アメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた政治組織

なお、本作には他にもテート・ラビアンカ殺人事件を起こした動機や、マンソンが国に利用された操り人形だった可能性などが紹介されています。

まとめ

本作はカルト指導者チャールズ・マンソンに迫ったドキュメンタリーで、テート・ラビアンカ事件の裏側などが紹介されています。

特に殺害当日の様子が分かりやすく印象的で、マンソンをはじめ、信者たちの狂気や凶暴さなどが感じられます。

他にも1960年代のアメリカ文化や、MKウルトラ計画との関係などが取り上げられており、さまざまな角度からマンソンについて知ることできます。

今回取り上げた映画『カオス:マンソン・マーダーズ』エロール・モリス

監督エロール・モリス
タイトルカオス:マンソン・マーダーズ
上映時間1時間36分(2025年)
ジャンルドキュメンタリー
出演者・キャスト
年齢制限16歳以上(暴力)
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
Netflixhttps://www.netflix.com/jp/title/81482892