「田中角栄は何が凄かったの?」
「田中角栄はどんな考えや価値観を持っていたんだろう?」
そんな疑問を持つ人におすすめしたいのが本書で、大物政治家・田中角栄の凄さが伝わる名言が人間味溢れるエピソードとともにまとめられています。
特に印象に残ったのは相手への気配りで、「田中角栄=演説・スピーチ上手な政治家」とだけ思っている人は、本書を読むとイメージが覆るかもしれません。
そこで本記事では、実際に政治評論家・小林吉弥さんの『田中角栄名言集 仕事と人生の極意』を読んだ感想を紹介していきます。本記事を読めば、どんな内容が書かれているのかが分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
基本情報

著者 | 小林吉弥(こばやしきちや) |
タイトル | 田中角栄名言集 仕事と人生の極意 |
出版社 | 幻冬舎 |
発売日 | 2023/1/20 |
ページ数 | 190ページ |
ジャンル | ノンフィクション |
受賞・候補歴 | – |
おすすめ度 | ★★★★☆(SSランク) |
楽天 | https://a.r10.to/hgPJef |
Amazon | https://amzn.to/3KzJSFo |
概要・あらすじ
生前だけでなく、死後にも多くの人に影響を与えたといわれる大物政治家・田中角栄。豊かな発想力や類いまれな決断力&実行力、あらゆる人を魅了した人心掌握術など、田中角栄の凄さを伝える名言を、人間味溢れるエピソードとともに紹介した一冊。
感想・おすすめポイント
- 最大の気配りは「相手と全力で向き合うこと」
- 部下の人事に関するポイントは「損失補填」
- 真理は常に中間にあり
本書では、大物政治家・田中角栄の凄さが分かる名言を人間味溢れるエピソードとともに紹介しています。ただ単に政治家としての功績を並べるだけでなく、どのように人と接し、どんな価値観を持ち、どう行動してきたのかが具体的に分かる一冊です。
本書を読んで印象に残ったのが人への気配りで、田中角栄は演説やスピーチなどよりも気配りの天才かもしれないと感じられます。本書によると、彼は若手議員によくこう言っていたそうです。
「いいか、何事も相手に対して手を抜くな。誠心誠意、全力投球で向き合うことだ。それが最大の気配りということになる。真の信頼関係は、そうした中から生まれる」
エピソードでいうと、他人にお金を借りる人にでさえ「これをあんたにやるんだ」ではなく、あくまで「もらっていただく」という態度で渡せと指示していたそうです。もちろん、お金の世話になる相手の気持ちを汲んでの行為です。
部下の人事に関する話も印象的で、田中派の中でもなかなかポストに就けないできた者もいたそうです。ただ、自分の内閣になった際は取り残された部下の損失補填に精を出し、必ずそれなりのポストを与えていたようです。ポストをもらえれば、そうした議員は地元に帰っても選挙民に顔が立ちます。
こうしたことから、田中派の中には「オヤジ(田中)さんのためなら火の中にも入るし、鉄砲玉にもなる」という議員がごまんといたようです。ちなみに本書には、名前はフルネームで覚えたことや葬儀を重視したことなどの話も取り上げられています。
また「真理は常に中間にあり」という言葉も印象深く、田中角栄は次のように言っていたそうです。
「敵と味方ばかりではない。その間にある中間地帯(グレーゾーン)が一番広い。そこを取り込めなくてどうする」
あらゆる組織には自分を支持してくれる人もいれば、もはや何でも反対派という人もいる。その間に利あれば付くし損ならば離れるという日和見※の人もいて、この層が「中間地帯(グレーゾーン)」とのこと。この中間地帯が動くと世論となり、支持の幅を広げられると考えていたようです。
※ある定まった考えを持たず、状況を見て有利な側に付こうとする考え
全体を通して、田中角栄は叩き上げの人生を送ってきたからか、人の心の痛みや移ろいなどを敏感に感じ取る力を持っていたのだろうと感じられます。また単純に読みものとして面白いうえに人への接し方やリーダーシップ、部下の育成などにも参考になります。
なお、他には田中角栄もびっくりした圧巻の処世名人なども紹介されていて、田中角栄以外の凄い人たちの処世術も学べます。
まとめ
本書には田中角栄の人間味溢れる名言やエピソードがまとめられていて、どんな考えや価値観を持っていたのかなどが分かります。
もちろん演説・スピーチ力も凄いですが、そこまでするのかという気配りなども印象的で、多くの人を魅了した理由がよく伝わってきます。
また育成やリーダーシップなどにも参考になる部分が多くあり、リーダーシップ論を説いたビジネス書のように学べるでしょう。
今回取り上げた本『田中角栄名言集 仕事と人生の極意』小林吉弥

著者 | 小林吉弥(こばやしきちや) |
タイトル | 田中角栄名言集 仕事と人生の極意 |
出版社 | 幻冬舎 |
発売日 | 2023/1/20 |
ページ数 | 190ページ |
ジャンル | ノンフィクション |
受賞・候補歴 | – |
おすすめ度 | ★★★★☆(SSランク) |
楽天 | https://a.r10.to/hgPJef |
Amazon | https://amzn.to/3KzJSFo |