【感想】『結局、自分のことしか考えない人たち』サンディ・ホチキス【恥を健全に処理できない】

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「自己愛が強い人の心理を知りたい」
「自己愛人間の言動に振り回され、もうヘトヘトで限界…」

そんな人におすすめしたいのが本書で、自己愛の強い人(=ナルシシスト)の心理や対処法などを扱った一冊。自己愛人間の複雑な心理が分かりやすく解説されていて、心理に関する専門的な知識がなくとも興味深く読み進められます。

自分に自信が持てない人や周りに合わせすぎてしまう人などにもおすすめで、人間関係の悩みを改善する実用的なヒントが得られるでしょう。ちなみに自己理解や教育(子育て)などにも役立ちます

そこで本記事では、実際にサンディ・ホチキスさんの『結局、自分のことしか考えない人たち』を読んだ感想を紹介していきます。本記事を読めば、どんな内容が書かれているかなどが分かるため、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください

基本情報

結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術
出典:Amazon
著者サンディ・ホチキス
タイトル結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術
出版社草思社
発売日2020/2/6
ページ数186ページ
おすすめ度★★★★☆(SSランク)
楽天https://a.r10.to/hFpI63
Amazonhttps://amzn.to/42BDUtM

概要・あらすじ

家族や友人、上司、同僚など、意外と身近に潜む「自己愛人間」。特徴は「傲慢な態度で見下す」「ねたみの対象をこきおろす」「特別扱いを求める」「相手を自分の一部とみなす」など。自己愛人間の複雑な心理構造を解き明かし、その毒から身を守るための戦略を解説した一冊。

感想・おすすめポイント

  • 回避された恥
  • 自分と他者の区別がつかない
  • 境界を設定する

本書は、自己愛の強い傲慢な人間(=自己愛人間)の心理や対処法などを解説した一冊。本書によると、自己愛人間の7つの大罪(特徴)は以下の通りです。

  • 恥を知らない
  • 歪曲して、幻想を作り出す
  • 傲慢な態度で見下す
  • ねたみの対象をこき下ろす
  • 特別扱いを求める
  • 他者を平気で利用する
  • 相手を自分の一部とみなす

特に恥を健全に処理できない点が印象的で、不健全な自己愛の奥には恥への強い意識が潜んでいる。親が子どもに与えた恥をうまく和らげないと、子どもは恥の意識を処理する独自の方法を発達させる。要するに恥という耐えがたい感情を遠ざけるために、自分は特別だという幻想にしがみつくとのこと。

心理学者が「回避された恥」と呼ぶ方法で、適切に処理されなかった恥は否認や冷淡さ、非難、怒りの形で表に現れる。時には「僕の責任ではない」などといった言葉のように、責任転嫁のような態度になるそうです。

また、自分と他者の区別がつかないのも特徴。他者は自分の要求を満たすための存在で、自分の要求を満たさないなら存在価値すら否定されるとのこと。

原因は幼少期の体験で、幼少期の子どもは母親との心理的な境界がなく、「二人は一体」という錯覚の中で万能感を得ながら生きている。しかし成長とともに自分は無力で、本当に力があるのは母親側だと気づく。そのとき、一部の子どもは錯覚の中にとどまり続け、相手を自分の延長として扱うようになるようです。

自己愛人間への対策の一つは境界を設定することで、自己愛人間は日常的に境界線を侵害する。具体的には自分宛ての手紙を許可なく読む、勝手にデスクの中を調べるなど。そのため自分のほうで境界線を設定し、何が何でも守り抜くことが大切だと強調しています。

本書は全体を通してロジックが明確で分かりやすく、人間の心理に詳しくなくとも興味深く読み進められます。本書を読むと、自己愛人間は自分とはかけ離れた異常な存在ではなく、「ああ、こういう時期が自分にもあったかも…」と幼少期なども含めて感じるかもしれません。

また具体的な戦略(対策)まで丁寧に書かれているため、人間関係に役立つ実用的な本ともいえるでしょう。自己愛人間との関わりに心が消耗している人にとっては、自分を守るための具体的なヒントが得られるかもしれません。

ちなみに本書には他にも青春期の自己愛人間や恋に落ちた自己愛人間、職場の自己愛人間などの事例に加え、子どもを自己愛人間にしないための考えなども紹介されています。

まとめ

本書は自己愛人間の特徴や対処法などを解説した一冊で、複雑な心理なども専門知識がなくとも興味深く学べます。

具体的な対処法も丁寧に書かれているため、人間関係の悩みを解消するヒントを得られるだけでなく、家庭や職場などで自分を守るための指針にもなります。

さらには自己理解を深めるきっかけになるほか、教育(子育て)においても子どもを不健全な自己愛に陥らせないための関わり方を考える手助けとなるでしょう。

今回取り上げた本『結局、自分のことしか考えない人たち』サンディ・ホチキス(著)

結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術
出典:Amazon
著者サンディ・ホチキス
タイトル結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術
出版社草思社
発売日2020/2/6
ページ数186ページ
おすすめ度★★★★☆(SSランク)
楽天https://a.r10.to/hFpI63
Amazonhttps://amzn.to/42BDUtM