【感想】『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』加藤諦三【ナルシシズムは幸せの敵】

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「なんであの人はすぐ不機嫌になるんだろう…」
「もしかして自分はナルシスト(ナルシシスト)なのかな…?」

そんなもやもやにヒントを与えてくれるのが本書で、ナルシシストの心理やナルシシズムを解消する方法などが紹介されています

全体的に辛らつな言葉が並びますが、なぜ些細なことですぐ不機嫌になるのかといった疑問をはじめ、ナルシシストの特徴が分かりやすく解説されています。

自分はナルシシストかもと感じている人はもちろん、自分はナルシシストではないと思っている人も、本書を読むと自分の中にあるナルシシズムに気づかされるかもしれません。

そこで本記事では、実際に社会心理学者・加藤諦三さんの『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』を読んだ感想を紹介していきます。本記事を読めば、どんな内容なのかなどが分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください

基本情報

『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』加藤諦三
出典:Amazon
著者加藤諦三(かとうたいぞう)
タイトルなぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか――「ナルシシスト」という病
出版社三笠書房
発売日2016/9/7
ページ数204ページ
ジャンルノンフィクション
受賞・候補歴
メディアミックス
おすすめ度★★★★☆(SSランク)
楽天https://a.r10.to/hReklQ
Amazonhttps://amzn.to/4qdVtKR

概要・あらすじ

一見いい人なのに、自分にしか興味がない、わがまま、不幸自慢、人の話を聞けない。それらはすべてナルシシストの症状。ナルシシストであればあるほど、現実に傷つきやすくなる。ナルシシズムから解放されれば、人を憎んだり、責めたり、恨んだりしないで、いつも生きていける。人の言動に過敏に反応して苦しむこともない。ナルシシストの心理などを解説した一冊。

目次

  1. なぜ、あの人は些細なことで、すぐ「不機嫌」になるのか
    心のなかで何が起こっている?
  2. 「ナルシシスト」とは何か
    それは単なる「うぬぼれ」ではなく、もっと根深い問題
  3. 「無条件の愛」「思いどおりのパートナー」を求めて
    「幸せへの最短ルート」はどこにある?
  4. 「自己愛」をこじらせる日本人
    「経済的な豊かさ」から「心の豊かさ」へ
  5. シンプルに生きる、たった一つの方法
    自由に、肩ひじ張らず、もっと身軽な人生

感想・おすすめポイント

  • 心の底にあるのは「孤独&恐怖」
  • ナルシシズムは「賞賛依存症」
  • 解消方法は「好きなことを見つける」

本書は、ナルシシストの心理やナルシシズムの解消方法などを解説した一冊。そもそもナルシシストとは人が自分をどう見ているかを気にする目立ちたがり屋で、いつも誰も私の苦しみを分かってくれないと苦しんでいる。天国のように見える環境にいても不幸である、とのこと。

心の底にあるのは孤独と恐怖で、いつもビクビクして平常な気持ちを維持するのに精一杯。たとえ意識の上では高い自己評価でも、無意識では逆に空虚感に悩み、自己蔑視している。とにかく劣等感が深刻で、本当の自分がバレないかとビクビクしている。表面上は自己陶酔しながらも、その心の本質は劣等感だと指摘しています。

自分自身であろうとすること、別の言い方をすれば、幸せになることの最大の障害はナルシシズムで、ナルシシズムとは賞賛依存症。ナルシシストにとって、自己の存在証明は他者の賞賛。したがって批判されることは自己の存在証明を否定されることで、その怒りと落ち込みは常人には想像を絶するものがあるといいます。

人間は生まれて以来、成長欲求と退行欲求の葛藤の中で生きている。成長欲求が勝った者は幸せになり、退行欲求が勝った者は不幸になる。ナルシシズムは成長の敵、つまり幸せの敵とまで述べられています。

ナルシシズムを解消する方法は意外と単純で、「苦しい!」と訴えるよりも、自分のナルシシズムに気がつき、他者のことを考える。ナルシシストは好きなものがない、好きな人がいないのも重要な特徴で、自己陶酔しているから対象(他者)への関心がないとのこと。

とにかく何でもいいから好きなことを見つけ、自己賞賛のためではなく、自分が興味あることにエネルギーを注ぐことが大切。まずは自分は自己執着が強いから対象への関心がないと認め、次に賞賛がなくても楽しく生きている人を観察して見習うといいと述べられています。

全体的に辛らつな語り口ながらも、ナルシシズムの問題が想像以上に重く根深いことを痛感します。虐待や離婚、事件、戦争などの背景にもナルシシズムが関係している可能性があり、人間関係や社会に与える影響は少なくないと感じられます。また単にナルシシズムの特徴を述べるだけでなく、原因や解消方法なども紹介されているのも嬉しいポイントですね。

なお、本書には他にも2種類のナルシシストに共通することや、ナルシシストと感情の激しい人の違い、ナルシシスト度を測る8つのチェックリスト、ナルシシズムと被害者意識&悲観主義の関係などが紹介されています。

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まとめ

本書はナルシシストの心理などを解説した一冊で、ナルシシズムの原因や解消方法が紹介されているのも魅力です。

本書を読み進めるうちに、ナルシシズムは意外と根深い問題であることを痛感するだけでなく、自分の成長や幸せを妨げていることにも気づかされます。

ナルシシスト(ナルシシズム)について知りたい人はもちろん、もっと肩ひじを張らずに身軽な人生を歩みたい人などにもおすすめです。

今回取り上げた本『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』加藤諦三

『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』加藤諦三
出典:Amazon
著者加藤諦三(かとうたいぞう)
タイトルなぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか――「ナルシシスト」という病
出版社三笠書房
発売日2016/9/7
ページ数204ページ
ジャンルノンフィクション
受賞・候補歴
メディアミックス
おすすめ度★★★★☆(SSランク)
楽天https://a.r10.to/hReklQ
Amazonhttps://amzn.to/4qdVtKR