【感想】『紙の月』角田光代【平凡な主婦が横領に手を染める過程が怖い】

【感想】『紙の月』角田光代【平凡な主婦が横領に手を染める過程が怖い】 本・書籍

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「小説『紙の月』ってどんな話なの?」
「実際に『紙の月』を読んだ人の感想も知りたい」

本作は第25回柴田錬三郎賞の受賞作で、2014年には映画とNHKのドラマで映像化もされました。興味はあるものの、読むかどうかを決めかねていませんか。

物語の中心にあるのは、銀行で働く平凡な主婦が、年下の大学生との恋をきっかけに横領を重ねていく姿です。

一人の主婦の恋と転落を通して、お金が人の心をどう変えていくのかを考えさせられます。主人公の周りにいる同級生や元恋人の暮らしも描かれ、お金に振り回される人々の姿が浮かび上がります。ただ、本当に自分に合う作品かどうかは、手に取る前に確かめておきたいところですよね。

そこで本記事では、実際に小説家・角田光代さんの『紙の月』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。本記事を読めば、本作が自分に合うかどうかを、読む前に判断しやすくなるでしょう。

お金にまつわる人間ドラマに興味がある人や、人の弱さを描いた物語が好きな人こそ、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者角田光代(かくたみつよ)
タイトル紙の月
出版社角川春樹事務所
発売日2012/3/15
ページ数313ページ
ジャンル小説(サスペンス)
受賞・候補歴【受賞】第25回柴田錬三郎賞
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天https://a.r10.to/hPLZLL
Amazonhttps://link.amazon/B069rRZbQ

概要・あらすじ

わかば銀行で契約社員として働く梅澤梨花(うめざわりか)は、夫と二人で暮らす41歳の主婦。顧客の家を回る外回りの仕事では、丁寧な仕事ぶりで顧客からの信頼も厚い。夫との暮らしにすれ違いを感じていた梨花は、顧客の孫で大学生・光太(こうた)と出会い、惹かれていく。光太との関係を深める中で、梨花は顧客から預かったお金に手をつけてしまう。小さな不正をきっかけに、梨花の金銭感覚は少しずつ狂っていく。平凡な主婦が巨額の横領に手を染めていく姿を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 平凡な主婦が横領に手を染める過程が怖い
  • むなしさをお金で埋めようとする危うさ
  • 誰にでも起こり得ると感じさせる

本作は、銀行の契約社員として働く主婦が、顧客のお金を使い込んで転落していく長編小説です。41歳の主人公・梨花はわかば銀行の外回りを担当し、細やかな気配りで顧客から厚い信頼を得ていました。一方で、自分に関心の薄い夫との暮らしには、どこか満たされない想いを抱えていました。

そんな梨花が出会ったのが、顧客の孫で年下の大学生・光太です。光太と過ごす時間が楽しくなるにつれて、梨花は顧客から預かったお金に手をつけてしまいます。始まりはすぐに返すつもりで手をつけた1万円でした。

しかし、一度越えた一線は戻らず、梨花の金銭感覚は狂い、横領の額はやがて1億円にまで膨らんでいきます。梨花の他にも、買い物依存や節約、家計の不満といったお金の悩みを抱える同級生や元恋人が登場。その間にも、梨花は偽の証書を作るなど、手口も次第に大胆になっていきます。

何といっても平凡な主婦が横領に手を染める過程の怖さが印象に残ります。特別な悪人ではない梨花が少しずつ深みにはまっていく姿は読んでいて他人事とは思えないでしょう。また、光太の学費を工面したり、高価な化粧品や服を買ったりと、夫との暮らしのむなしさをお金で埋めていく様子も見どころです。

梨花の行動は極端ですが、お金や恋愛に心を奪われる弱さは誰にでもあるのではないかと感じさせられます。周りの人物が抱えるお金の悩みも身近なものばかりで、自分の暮らしと重ねながら読み進められるところがあります。読み終えた後は、お金では埋められない心のすき間について見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

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まとめ

本作は、銀行の契約社員として働く主婦が、恋とお金に溺れて横領を重ねていく長編小説です。年下の大学生との出会いをきっかけに、わずか1万円から始まった不正が1億円もの横領へと膨らんでいきます。顧客から信頼されていた梨花が、偽の証書を作るほど大胆になっていく過程には怖さがあります。

夫との暮らしのむなしさをお金で埋めようとする梨花の姿からは、誰にでも起こり得る危うさが感じられます。同級生や元恋人など、周りの人物が抱える買い物依存や節約の悩みも、自分の暮らしに近いものとして読めます。映画やドラマで結末を知っている人も、原作ならではの心の動きをじっくり味わえるでしょう。

平凡な人が道を踏み外していく心理に興味がある人や、お金や恋に揺れる人間の弱さを描いた物語を読みたい人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『紙の月』角田光代(著)

著者角田光代(かくたみつよ)
タイトル紙の月
出版社角川春樹事務所
発売日2012/3/15
ページ数313ページ
ジャンル小説(サスペンス)
受賞・候補歴【受賞】第25回柴田錬三郎賞
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天https://a.r10.to/hPLZLL
Amazonhttps://link.amazon/B069rRZbQ