【感想】『自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法』市橋秀夫【対等な人間関係を築きにくい】

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「最近自己愛性パーソナリティー障害っていう言葉を知ったけど、具体的にどんな特徴があるの?」
「自己愛性パーソナリティー障害に興味があるけど、正直文章を読むのが苦手だからイラストの多い本はない?」

そんな疑問やニーズに応えてくれるのが本書で、自己愛性パーソナリティ障害の考え方や行動パターン、周りが意識すべき対応などが端的にまとめられています。イラストを使った解説が多くて、文章を読むのが苦手な人にもおすすめできる一冊です。

本書を読むと、これまで「自分大好き&うぬぼれが強い」と思っていた自己愛性パーソナリティー障害への見方が変わるでしょう。

そこで本記事では、実際に精神科医・市橋秀夫さんが監修した『自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法』を読んだ感想を紹介していきます。本記事を読めば、どんな内容が書かれているのかが分かるため、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください

基本情報

心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法
出典:Amazon
著者市橋秀夫(いちはしひでお)
タイトル心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法
出版社PHP研究所
発売日2018/8/7
ページ数99ページ
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天https://a.r10.to/hg8rFA
Amazonhttps://amzn.to/46FeOeT

概要・あらすじ

「敏感すぎる」「傷つきやすい」「自分を好きになれない」といった特徴を持つ自己愛性パーソナリティ障害。肥大化した自尊心に振り回される病で、うつ病やDV、引きこもり・不登校などの現象を引き起こしやすい。周囲に限らず、本人も自らの障害の問題点に気づける一冊。

感想・おすすめポイント

  • 引き起こしがちな7つの現象
  • 周囲の印象とは異なる特性を持つ
  • 周囲が対応する際に守るべき8つのポイント

本書は自己愛性パーソナリティ障害の特性や考え方、行動パターン、思考パターンなどを解説した一冊です。自己愛性パーソナリティ障害は肥大化した自尊心に振り回される病で、実生活の中でさまざまなトラブルを引き起こします。

特に引き起こしがちな現象は以下の通りで、こうした現象の裏に自尊心の問題があることに、本人や周囲だけでなく医師さえも気づきにくいそうです。根本原因を取り除けないため、頻繫にトラブルをくり返してしまいます。

  • 摂食障害
  • 非定型うつ※
  • 引きこもり・不登校
  • 強迫性障害(不潔恐怖や醜形恐怖など)
  • DV(ドメスティック・バイオレンス)
  • ストーカー
  • クレーマー

※従来のうつ病とは異なる症状が出るタイプ。気分の反応性や拒絶過敏性、過食、過眠などの特徴を持つ
※参考:品川メンタルクリニック

また自己愛性パーソナリティー障害と聞くと、「自分大好き」「うぬぼれが強い」と思われがちですが、実際には以下の特性を持っているとのこと。

  • 自分のことが好きになれない
  • 他人を信用できない
  • 人間関係は常に勝ち負けになる
  • 自分が自分以上でないといけないという強迫観念を持っている
  • 他人の成功に対して、嫉妬と羨望の感情が収まらない
  • 自分が特別な存在であることをさりげなく、あるいはあからさまに示したがる
  • うまくいっているときには頑張れるが、思い通りにいかなくなると努力を続けられなくなる
  • 挫折に弱く、立ち直ることが困難
  • 批判されたり叱責されたりすることが極度に苦手
  • 自分がどう見られているかばかり気にする
  • 自分が賞賛されているイメージに耽溺する

特に人間関係のパターンが印象的で、他人とは対等な関係になりにくく競争相手になってしまう。人との関係は基本的に「見下すか」「見下されるか」の2択で、家族だけは唯一自分の延長線上に捉えることが多いようです。ちなみに本書には自己愛性パーソナリティー障害の対人意識が分かる、ある政治家の言葉も紹介されています。

自己愛性パーソナリティー障害の人との付き合いは難しいですが、以下の8つのポイントを念頭において対応することが大切であるようです。

  • 気持ちを分かってあげる
  • 目線を本人と同じ高さに
  • 言い訳をしない
  • 分かろうとする態度を示す
  • お役人的な態度、硬直的な態度を取らない
  • 支配的な態度、威圧的な態度を取らない
  • こちらが間違ったときにはきちんと謝罪する
  • 規則優先な対応は避けるが、原則は譲らない

全体を通して、自己愛性パーソナリティー障害の人に抱いていたイメージとは異なる姿を感じられるのが新鮮です。どれだけ自分が好きなのかと思っている人は、本書を読むと見方が変わるかもしれません。また全体的にイラストが多く使われているため、文章が苦手でも理解しやすいのも嬉しいポイントです。

なお、本書には他にも自己愛性パーソナリティー障害の原因や背景に加え、病理の構造や特有の考え方、気づきのレッスン、対人関係でやりがちなことなどが紹介されています。

まとめ

本書は精神科医・市橋秀夫さんが監修を務めた一冊で、自己愛性パーソナリティー障害の特性や考え方、原因などが端的にまとめられています。

イラストが多く使われているほか、専門用語もほとんど出てこないため、心理学に詳しくない人や文章が苦手な人にもおすすめです。

自己愛性パーソナリティー障害について学びたい人はもちろん、家族や職場、友人関係で「なぜこの人はこんな行動を取るのだろう」と感じている人にとっても有益な一冊となるでしょう。

今回取り上げた本『自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法』市橋秀夫(著)

心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法
出典:Amazon
著者市橋秀夫(いちはしひでお)
タイトル心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法
出版社PHP研究所
発売日2018/8/7
ページ数99ページ
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天https://a.r10.to/hg8rFA
Amazonhttps://amzn.to/46FeOeT