【感想】『雲の階段』渡辺淳一【一度ついた嘘に縛られていく怖さ】

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モノカフェ文庫

「渡辺淳一の『雲の階段』ってどんな話なの?」
「偽医者が主人公って聞いたけど、自分も楽しめるかな?」

1982年に刊行された本作は、2013年に長谷川博己さんの主演でドラマ化もされました。興味はあるものの、読むかどうかを決めかねていませんか。

主人公は、医師免許を持たないまま離島の診療所で働く青年・相川三郎(あいかわさぶろう)。島で命を救った女子大生・亜希子(あきこ)に惹かれて東京に移った三郎が、素性を明かせないまま地位と愛を手にしていく姿が描かれます。

読み進めるうちに、嘘を抱えたまま手に入れた幸せのもろさが伝わってきます。とはいえ、40年以上前に書かれた本作を今読んで楽しめるかどうかは、評判だけでは見えてきませんよね。

そこで本記事では、実際に小説家・渡辺淳一さんの『雲の階段』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。読み終える頃には、本作が自分に合う一冊かどうかがイメージできているでしょう。

嘘から始まる恋の行方が気になる人や、医療の現場を舞台にした人間ドラマを読みたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

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工藤あかり(著)

十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

むかし書いた日記をきっかけに、十九歳で出会った男との記憶が蘇る――。二つの出会いと別れを綴った恋愛回想小説

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

No Image
著者渡辺淳一(わたなべじゅんいち)
タイトル雲の階段
出版社講談社
発売日2013/3/15
ページ数・上巻:448ページ
・下巻:384ページ
ジャンル恋愛/ヒューマンドラマ
受賞・候補歴–
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
楽天https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/1bf73aca.1ca1d838.1bf73acb.3db607ff/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F12207114%2F&link_type=hybrid_url&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJoeWJyaWRfdXJsIiwic2l6ZSI6IjI0MHgyNDAiLCJuYW0iOjEsIm5hbXAiOiJyaWdodCIsImNvbSI6MSwiY29tcCI6ImRvd24iLCJwcmljZSI6MSwiYm9yIjoxLCJjb2wiOjEsImJidG4iOjEsInByb2QiOjAsImFtcCI6ZmFsc2V9
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概要・あらすじ

伊豆の南に浮かぶ小島の診療所で所長の助手を務める相川三郎は、医師免許を持たないまま診療や簡単な手術までこなしていた。ある日、所長の留守中に、東京から来た女子大生・田坂亜希子が急患として運び込まれる。三郎は子宮外妊娠の手術に踏み切り、彼女の命を救った。やがて亜希子が東京の大病院の令嬢だと分かり、島に看護師の恋人・明子を残したまま、三郎は彼女に惹かれていく。偽りの経歴を抱えた青年が、恋と出世の階段を上っていく姿を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 一度ついた嘘に縛られていく怖さ
  • 偽医者だとばれないかハラハラしながら読み進める
  • 亜希子と明子の間で揺れ動く三郎の弱さ

本作は手術の腕だけを頼りに離島から東京の大病院に上り詰めていく、無資格の青年の葛藤を描いた長編小説です。三郎が働くのは伊豆の南に浮かぶ小島の診療所で、島でただ一人の医師である所長のもとで助手を務めていました。資格がないにもかかわらず、彼はいつしか診療や簡単な手術までこなすようになります。

ある日、所長が島を離れている間に、東京から来た女子大生・亜希子が急患として運び込まれます。診断は子宮外妊娠で、三郎は自ら手術に踏み切って彼女の命を救いました。亜希子が東京の大病院の令嬢だったことから、三郎の運命は大きく動き出します。

そんな三郎には、島で看護師として働く恋人・明子がいました。それでも都会的な亜希子に強く惹かれた彼は明子を島に残して東京に移り、亜希子と婚約して病院の後継者の道を歩み始めました。偽医者であることを言い出せないまま、三郎はいつ嘘が明るみに出るかとおびえる日々を送ることになります。

特に印象に残ったのは嘘を重ねるたびに引き返せなくなっていく三郎の姿で、一度ついた嘘に縛られていく怖さが胸に迫ります。打ち明ける機会はあったはずなのに、目の前の幸せを手放せずに黙ってしまう弱さに身に覚えのある人もいるかもしれません。

いつ偽医者だとばれるかという緊張感も最後まで途切れず、手術の場面では三郎と一緒に息を詰めて読み進めてしまいます。医師だった著者ならではの手術や病院の描写がリアルで、張り詰めた空気をより際立たせていますね。

亜希子と明子という対照的な2人の女性の間で揺れる三郎の心理も見どころで、華やかな恋に惹かれていく男の身勝手さと弱さが生々しく描かれています。手に入れたものを失う怖さから人はなかなか逃れられないのだと、改めて気づかされる場面も少なくありません。

煮え切らない主人公が苦手な人には、三郎の優柔不断さがもどかしく感じられる場面もありそうです。裏を返せば、その弱さこそが三郎を身近な存在に感じさせ、物語に引き込まれる理由になっています。読み終えた後は自分がついてきた小さな嘘と、それが積み重なった先を考えずにはいられなくなるでしょう。

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まとめ

本作は医師免許を持たない青年・三郎が偽医者であることを隠したまま、東京の大病院で恋と地位をつかんでいく長編小説です。伊豆の小島で命を救った令嬢・亜希子との出会いをきっかけに、三郎は島に恋人・明子を残したまま新しい人生を歩み始めます。いつ嘘が明るみに出るかという緊張感が最後まで物語を引っ張っていくのも特徴です。

医師だった著者ならではの手術や病院の描写はリアルで、2人の女性の間で揺れる三郎の心理も生々しく描かれています。一度ついた嘘に縛られ、引き返せなくなっていく怖さを味わえるのも本作ならではの魅力です。

秘密を抱えたまま進んでいく恋の物語に惹かれる人や、医師の世界を描いた小説を読みたい人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『雲の階段』渡辺淳一(著)

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著者渡辺淳一(わたなべじゅんいち)
タイトル雲の階段
出版社講談社
発売日2013/3/15
ページ数・上巻:448ページ
・下巻:384ページ
ジャンル恋愛/ヒューマンドラマ
受賞・候補歴–
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
楽天https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/1bf73aca.1ca1d838.1bf73acb.3db607ff/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F12207114%2F&link_type=hybrid_url&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJoeWJyaWRfdXJsIiwic2l6ZSI6IjI0MHgyNDAiLCJuYW0iOjEsIm5hbXAiOiJyaWdodCIsImNvbSI6MSwiY29tcCI6ImRvd24iLCJwcmljZSI6MSwiYm9yIjoxLCJjb2wiOjEsImJidG4iOjEsInByb2QiOjAsImFtcCI6ZmFsc2V9
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育休中の真弓は、雨の日に十九歳の頃の日記を開く。出会い系アプリで出会った男、傷心の一人旅で出会った写真好きの青年――。二つの出会いと別れを綴った、喪失と再生の恋愛回想録。

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