【感想】『イニシエーション・ラブ』乾くるみ【最初から読み返したくなる仕掛け】

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モノカフェ文庫

「乾くるみの『イニシエーション・ラブ』ってどんな小説なの?」
「ネタバレは見たくないけど、評判どおり面白いのかを知りたい」

2004年に刊行された本作は累計130万部※を突破し、2015年には松田翔太さん・前田敦子さんの主演で映画化もされました。興味はあるものの、読むかどうかを決めかねていませんか。
※参考:映画.com

本作で描かれるのは、合コンで出会ったマユと付き合い始めた大学生・鈴木が就職で東京に移り、同僚・美弥子との間で心を揺らしていく恋です。

鈴木とマユが少しずつ距離を縮めていく姿を通して、付き合い始めた頃の甘酸っぱさを味わえます。ただ、事件らしい事件の起きない恋愛模様を最後まで楽しめるかどうかは、手に取る前に確かめておきたいところですよね。

そこで本記事では、実際に小説家・乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。感想を知っておけば、恋愛模様が中心の本作の読み味が自分の好みに合うかどうかを判断しやすくなるでしょう。

特に予備知識なしで本作の仕掛けを味わいたい人や、80年代が舞台の青春恋愛小説を読みたい人は、次に読む本を選ぶときの参考にしてみてください。

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虹(工藤 あかり)の表紙

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工藤あかり(著)

十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

むかし書いた日記をきっかけに、十九歳で出会った男との記憶が蘇る――。二つの出会いと別れを綴った恋愛回想小説

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者乾くるみ(いぬいくるみ)
タイトルイニシエーション・ラブ
出版社文藝春秋
発売日2007/4/10
ページ数272ページ
ジャンル恋愛/ミステリー
受賞・候補歴【候補】第58回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天–
Amazonhttps://link.amazon/B08oSDZS2

概要・あらすじ

1980年代後半(昭和60年代)の静岡。大学4年生・鈴木(すずき)は欠員の代わりに参加した合コンで、歯科衛生士・成岡繭子(なるおかまゆこ)と出会う。マユと呼ばれる繭子に惹かれた鈴木は不器用ながらも少しずつ距離を縮め、やがて2人は恋に落ちる。後半のSide-Bでは舞台が東京に移り、就職した鈴木と静岡に残るマユとの遠距離恋愛が描かれていく。80年代のヒット曲や流行を織り込みながら、若い男女の恋の行方を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 読後に読み返したくなる仕掛け
  • 鈴木とマユの初々しい恋模様に引き込まれる
  • ヒット曲で味わう1980年代後半の空気

本作は1980年代後半の静岡と東京を舞台に、若い男女の恋をSide-AとSide-Bの2部構成で描いた長編小説です。前半のSide-Aは静岡の大学に通う4年生・鈴木の語りで進んでいきます。

鈴木が欠員の代わりに参加した合コンで出会ったのが、歯科衛生士・成岡繭子です。不器用ながらもマユと呼ばれる彼女に惹かれていった鈴木は、やがて彼女と恋人どうしになりました。カラオケや仲間と出かける海など、80年代の若者らしい時間の中で2人の初々しい恋が描かれていきます。

Side-Bで描かれるのは、就職して東京で働くことになった鈴木と静岡に残るマユとの遠距離恋愛です。東京の職場で同じ課の石丸美弥子(いしまるみやこ)と出会った鈴木は、マユと美弥子の間で気持ちが揺らいでいきます。

何といっても最初から読み返したくなる仕掛けが印象に残り、読後もしばらく余韻が続きます。鈴木とマユのぎこちないやり取りにあふれる、青春の恋愛小説らしいみずみずしさも魅力です。章題に並ぶヒット曲や家の電話で連絡を取り合う恋の進め方からは、1980年代後半の空気が伝わってきますね。

ただ、物語の大半は事件らしい事件の起きない恋愛模様で、登場人物の言動や性的な描写は好き嫌いが分かれるポイントといえそうです。それでも、恋が始まる頃の高揚感や、離れて暮らすうちに揺らいでいく気持ちが丁寧に描かれています。読み終えた後は、きっと何も明かさずに誰かに本作を薦めたくなるはずです。

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まとめ

本作は1980年代後半の静岡と東京を舞台に、鈴木とマユの恋をSide-AとSide-Bの2部構成で描いた長編小説です。合コンから始まる交際や、東京で働く鈴木の前に現れる美弥子など、若者たちの恋が当時の流行とともに描かれていきます。章の題名に並ぶヒット曲が80年代の空気を感じさせてくれるのも特徴です。

登場人物の心の動きも丁寧で、鈴木とマユのぎこちないやり取りや、離れて暮らすうちに揺らいでいく鈴木の気持ちが細やかに描かれています。恋が始まる頃の高揚感とその後の迷いを味わえるうえ、読み終えると最初から読み返したくなるのも本作ならではの魅力です。

本作の仕掛けを自分で体験してみたい人や、80年代の若者の恋をのぞいてみたい人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『イニシエーション・ラブ』乾くるみ(著)

著者乾くるみ(いぬいくるみ)
タイトルイニシエーション・ラブ
出版社文藝春秋
発売日2007/4/10
ページ数272ページ
ジャンル恋愛/ミステリー
受賞・候補歴【候補】第58回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
楽天–
Amazonhttps://link.amazon/B08oSDZS2