「片思いを描いた小説で、おすすめってある?」
「報われない恋でもいいから、胸がぎゅっとなる切ない物語を読みたい」
想いを伝えられない片思いの物語に、自分の経験を重ねたくなったことはありませんか。すんなり結ばれる恋の物語では、どこか物足りなく感じることもありますよね。
片思いを描いた小説には、かつての恋人を想い続ける富豪の物語から、想いを言葉にできない34歳の女性の静かな恋まで、さまざまな片思いの形があります。
届かない想いを抱える登場人物の姿に触れると、人を想う気持ちの尊さと苦しさの両方を味わえます。ただ、どの作品がどんな片思いを描いているのかは、紹介文だけでは判断しにくいですよね。
そこで本記事では実際に読んだ本の中から、片思いを描いた小説をランキング形式で紹介していきます(ネタバレなし)。本記事を読めば、今の気分に合う片思いの物語を選びやすくなるでしょう。
特に報われない恋の切なさに浸りたい人や、大人の片思いを描いた物語を探している人は、ぜひ参考にしてみてください。
片思いを描いた人気おすすめ小説
- 【1位】『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド
- 【2位】『容疑者Xの献身』東野圭吾
- 【3位】『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子
【1位】『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド
概要・あらすじ
1922年、中西部出身のニック・キャラウェイは、証券の仕事を学ぶためにニューヨークに出てきて、郊外に小さな家を借りる。隣の豪邸に住むのは、週末ごとに盛大なパーティーを開くジェイ・ギャツビーという富豪だが、その素性を知る者はいない。入り江を挟んだ対岸にはニックの遠縁にあたるデイズィが、夫・トムと暮らしていた。やがてニックは、ギャツビーとデイズィの間に秘められた過去があることを知る。第一次世界大戦後の好景気にわき、禁酒法のもとでもジャズと酒に浮かれた1920年代のアメリカを舞台に、かつての恋人を想い続ける男の姿を描いた、フィッツジェラルドの代表作。
感想・おすすめポイント
- 華やかな暮らしの裏にある孤独が切ない
- かつての恋人を想い続けるギャツビーの一途さに心を引かれる
- 1920年代の煌びやかな社交界の空気に浸れる
本作はニューヨーク郊外に越してきた青年・ニックが、隣に住む謎の富豪・ギャツビーの秘めた過去を知っていく長編小説です。舞台は1922年で、第一次世界大戦から戻ったニックは、証券の仕事を学ぶために中西部からニューヨークに出てきました。ニックが借りた小さな家の隣にそびえるのがギャツビーの豪邸です。
入り江を挟んだ対岸の屋敷に暮らすのはニックの遠縁・デイズィと、大学時代からの知り合いである夫・トムです。一方、ギャツビーは週末ごとに盛大なパーティーを開いていましたが、大勢の客が集まるにもかかわらず、主の素性を知る者は誰もいません。屋敷では人を殺したことがある、ドイツのスパイだったといった噂まで飛び交っていました。
やがてギャツビー本人と言葉を交わすようになったニックは、デイズィの友人から、ギャツビーとデイズィがかつて恋人同士だったことを聞かされます。さらに、その友人を通して、デイズィをニックの家に招いてほしいというギャツビーの頼みが伝えられました。ニックはその頼みを引き受け、2人の再会の場を整えていきます。
特に印象に残ったのはにぎやかな宴の主でありながら、どこか満たされない様子のギャツビーの姿で、華やかな暮らしの裏にある孤独が切なく胸に残ります。かつての恋人を想い続けるギャツビーの一途さにも強く心を引かれます。週末ごとの宴に彩られた当時の社交界の描写も煌びやかで、物語の世界にすっと浸れるでしょう。
一方で、修飾の多い文章や古風な言い回しに慣れるまでは、少し読みにくく感じる人もいるかもしれません。ただ、ギャツビーの過去が明らかになるにつれて、物語はぐっと面白さを増していきます。読み終えた後はギャツビーがなぜそこまで過去にこだわり続けたのかをじっくり考えたくなるでしょう。
基本情報
| 著者 | F・スコット・フィッツジェラルド |
| 訳者 | 野崎孝(のざきたかし) |
| タイトル | グレート・ギャツビー |
| 出版社 | 新潮社 |
| 発売日 | 1974/7/2 |
| ページ数 | 320ページ |
| ジャンル | 恋愛 |
| 受賞・候補歴 | – |
| おすすめ度 | ★★★★★(SSSランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/hPvWWo |
| Amazon | https://link.amazon/B02hQKgaH |
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【2位】『容疑者Xの献身』東野圭吾
概要・あらすじ
天才的な数学の才能を持ちながら、高校の数学教師として不遇な日々を送る石神哲哉(いしがみてつや)。彼はアパートの隣で娘と暮らす花岡靖子(はなおかやすこ)に、ひそかに想いを寄せていた。ある日、つきまとってきた元夫を靖子と娘が殺してしまったことを知った石神は、二人を救うために完全犯罪を企てる。刑事・草薙(くさなぎ)は捜査を進める中で、大学時代の友人である物理学者・湯川学(ゆかわまなぶ)に相談を持ちかける。こうして湯川は、かつて才能を認め合った旧友・石神の組み立てた謎に挑むことになる。天才同士の頭脳戦と、一人の男の献身を描いた一冊。
感想・おすすめポイント
- 見返りを求めない献身の切なさに胸を打たれる
- 天才数学者と天才物理学者の頭脳戦が面白い
- ミステリーでありながら恋愛小説としても読める
本作は、天才数学者・石神がある殺人事件の真相を隠し通そうとする倒叙ミステリーです。石神は数学の才能を持ちながら、高校の数学教師として冴えない日々を送っています。そんな彼がひそかに想いを寄せているのが、隣の部屋で娘と暮らす花岡靖子です。
ある日、靖子と娘は、つきまとってきた元夫を殺してしまいます。事件を知った隣人・石神は、二人を守るために完全犯罪を企てます。
刑事・草薙が聞き込みで訪ねた石神は、物理学者・湯川の大学時代の友人でした。草薙から事件の相談を受けた湯川は、久しぶりに石神と再会することに。かつてお互いの才能を認め合った天才二人が、事件をめぐって静かにぶつかっていきます。
特に印象に残ったのは見返りを求めない石神の献身ぶりで、終盤は胸が締め付けられる想いになります。また、天才数学者と天才物理学者による頭脳戦は読みごたえがあり、会話の端々に漂う緊張感も見どころです。犯人は最初から分かっていますが、どんなトリックなのか、湯川がどう真相に迫るのかが気になって最後まで一気に読み進められます。
謎解きを楽しめるミステリーでありながら恋愛小説としても読め、登場人物たちのその後が気になるような余韻も魅力です。シリーズを読んでいなくても話は理解できるため、ガリレオシリーズを初めて読む人にもおすすめです。人を想う気持ちがどこまで人を動かすのか、その重さが静かに胸に迫ります。
基本情報
| 著者 | 東野圭吾(ひがしのけいご) |
| タイトル | 容疑者Xの献身 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2005/8/29 |
| ページ数 | 360ページ |
| ジャンル | ミステリー |
| 受賞・候補歴 | 【受賞】第134回直木三十五賞 【受賞】第6回本格ミステリ大賞 【候補】2012年エドガー賞 最優秀長編賞(英訳版) |
| おすすめ度 | ★★★★☆(SSランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/h91qUv |
| Amazon | https://link.amazon/B08K3kvhM |
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【3位】『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子
概要・あらすじ
入江冬子(いりえふゆこ)は、34歳のフリーの校閲者。人付き合いが苦手で、誰もいない部屋で黙々と原稿に向き合う日々を送っている。唯一の楽しみは、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人と呼べるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員・石川聖(いしかわひじり)だけだ。ある日、カルチャーセンターに足を運んだ冬子は、58歳の男性・三束(みつつか)さんと出会う。光の話を聞かせてくれる三束さんと喫茶店で会ううちに、静かだった冬子の毎日は少しずつ色づき始めていく。孤独な女性の静かな恋を描いた一冊。
感想・おすすめポイント
- 不器用な大人の恋の切なさが胸に残る
- 光をめぐる繊細な言葉に引き込まれる
- 正反対の友人・聖とのやり取りが心に響く
本作は、人付き合いが苦手なフリーの校閲者・冬子が、カルチャーセンターで出会った三束さんに少しずつ惹かれていく長編小説です。冬子はひとり部屋にこもって原稿の誤りを確かめる毎日を送り、人と言葉を交わすことにさえ自信が持てずにいました。
そんな冬子が気を許せる相手は、仕事を通じて知り合った校閲社員・聖くらいしかいません。思ったことを遠慮なく口にする聖は、受け身な冬子とは性格も生き方も正反対の女性です。
ある日、人と関わることに臆病な冬子は、カルチャーセンターへ出かける勇気を出そうとお酒を飲み、具合を悪くしてしまいました。そこで冬子を気にかけて声をかけてくれたのが三束さんでした。
その後、2人は喫茶店で会うようになり、冬子は物理の教師だという三束さんが語る光の話に耳を傾けるようになりました。ただ、冬子は三束さんに会う前にもお酒に頼ってしまい、自分の気持ちをなかなか言葉にできずにいました。本当の自分を見せられないまま、冬子は三束さんと会う日々を重ねていきます。
まず印象的なのは、胸の内を打ち明けられない冬子のもどかしさで、不器用な大人の恋の切なさが胸に残ります。ひらがなを生かした柔らかな文章と、光をめぐる会話も魅力で、真夜中の澄んだ空気の中にいるような気持ちになるでしょう。また、遠慮なく本音をぶつける聖とのやり取りからは、対照的に見える2人がそれぞれに抱える孤独も見えてきます。
人によっては、自分から動けない冬子の姿が歯がゆく感じられるかもしれません。その分、ページをめくるごとに冬子の心の揺れが静かに伝わり、読み終えた後には穏やかな余韻が長く残ります。本作を読むと、誰かに想いを伝えることの怖さと大切さをそっと見つめ直したくなるでしょう。
基本情報
| 著者 | 川上未映子(かわかみみえこ) |
| タイトル | すべて真夜中の恋人たち |
| 出版社 | 講談社 |
| 発売日 | 2014/10/15 |
| ページ数 | 360ページ |
| ジャンル | 恋愛 |
| 受賞・候補歴 | 【候補】全米批評家協会賞 小説部門(2022年度・英訳版) |
| おすすめ度 | ★★☆☆☆(Aランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/hY5iJU |
| Amazon | https://link.amazon/B07OmmaQO |
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まとめ
片思いを描いた小説を読むと、相手に想いを伝えられない登場人物のもどかしさや、見返りを求めずに誰かを想い続ける一途さに触れられます。かつての恋人を追い続ける恋から、隣人への秘めた想い、言葉にできない大人の恋まで、片思いの形も物語ごとに異なります。
切なさにじっくり浸りたいときは静かな恋の物語を、謎解きも楽しみたいときはミステリー仕立ての物語を手に取るのがおすすめです。登場人物の想いに自分を重ねながら読み進めると、物語の切なさがいっそう深く胸に響きます。読み終えた後は、誰かを大切に想う気持ちを改めていとおしく感じられるでしょう。
届かない想いに心を寄せたくなったときは、ぜひ気になる片思いの物語から一冊手に取ってみてください。


