【感想】『劇場』又吉直樹【身近な人の優しさに甘える怖さ】

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「又吉直樹の『劇場』って、つまらないという声も見かけるけど実際は面白い?」
「普段あまり小説を読まないけど、独特な文章についていけるか不安…」

単行本の初版が30万部※に上ったことで知られる本作は、2020年に山﨑賢人さん・松岡茉優さんの出演で映画化もされました。気になっているものの、読むかどうか迷っていませんか。
※参考:新潮社

本作で描かれるのは、公演が酷評続きの劇作家・永田(ながた)が、原宿で出会った沙希(さき)に支えられながらも、同世代の活躍から取り残されていく日々です。芥川賞を受賞した『火花』より先に書き始められていた作品でもあります。

読後は夢を追うことと、恋人と向き合うことの両立の難しさを考えさせられます。ただ、独特な文章や主人公の身勝手さが自分に合うかどうかは、あらすじなどだけでは分かりませんよね。

そこで本記事では、実際にお笑い芸人・又吉直樹さんの『劇場』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。読み終える頃には、文章や主人公との相性も含めて、本作が自分に合うかどうかがイメージできているでしょう。

夢を追う若者の物語に惹かれる人や、不器用な恋の小説を読みたい人は、ぜひ読む前に目を通してみてください。

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虹

工藤あかり(著)

十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

むかし書いた日記をきっかけに、十九歳で出会った男との記憶が蘇る――。二つの出会いと別れを綴った恋愛回想小説

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者又吉直樹(またよしなおき)
タイトル劇場
出版社新潮社
発売日2019/8/28
ページ数256ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴–
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
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概要・あらすじ

高校卒業後に大阪から上京した永田は、中学時代からの友人・野原(のはら)と劇団を旗揚げし、脚本と演出を手がけている。しかし公演は酷評続きで、劇団員にも見放され、思うようにいかない日々を送っていた。ある日、原宿の雑踏で、女優を目指して上京した大学生・沙希と出会った永田は、やがて恋人となった彼女の部屋で暮らしはじめる。沙希は永田の才能を信じて支え続けるが、永田は理想と現実の間でもがきながら、同世代の劇作家の活躍に焦りを募らせていく。夢を追う青年と恋人の不器用な恋を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 身近な人の優しさに甘える怖さに気づかされる
  • 夢と現実の間でもがく永田の弱さが人間くさい
  • 永田を信じて支え続ける沙希の姿が切ない

本作は、売れない劇作家・永田が恋人・沙希に支えられながら思うようにいかない日々を生きていく恋愛小説です。大阪から上京した永田は中学時代からの友人・野原と劇団を立ち上げ、脚本と演出を担ってきました。しかし公演の評判は振るわず劇団員にも去られ、永田は孤独を深めていく一方でした。

そんなある日、永田は原宿の人混みの中で女優を目指して上京した大学生・沙希と出会い、必死に声をかけます。やがて恋人となった2人は沙希の部屋で一緒に暮らしはじめました。沙希は永田の才能を心から信じ、誰よりも近くで彼を支え続ける存在です。

その間にも同世代の劇作家が注目を集めていくのに対し、永田の劇団は評価されないままです。焦りや嫉妬を抱えた永田は沙希の明るさに救われながらも、自分の弱さと向き合えずにいました。夢を手放せない永田は、支えてくれる沙希の優しさにも次第に素直に応えられなくなっていきます。

特に印象に残ったのは沙希に寄りかかって意地を張る永田の姿で、身近な人の優しさに甘える怖さに気づかされます。他人の才能に嫉妬する永田の弱さも包み隠さず描かれ、自分を重ねる人もいるでしょう。また、そんな永田を支え続ける沙希のけなげさも本作の切なさを際立たせています。

人によっては、永田の自分本位な言動や冒頭の癖のある文体がとっつきにくく感じられるかもしれません。とはいえ、ユーモアを交えた何気ない会話は温かく、読み進めるほど2人の時間がいとおしく感じられるはずです。読み終えた後は、そばにいる人に伝えそびれている言葉がないか見つめ直すきっかけになるでしょう。

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まとめ

本作は、売れない劇作家・永田が恋人・沙希に支えられながら思うようにいかない日々を生きていく恋愛小説です。原宿で出会った2人は一緒に暮らしはじめ、沙希は永田の才能を信じて応援し続けます。夢と現実の間でもがく永田の姿が2人の何気ない日常とともに描かれる作品です。

身近な人の優しさに甘えてしまう永田の姿は、読む人にそばにいる人との向き合い方を問いかけてきます。一方で、ユーモアを交えた会話は温かく、不器用な恋をじっくり味わえます。読み進めるほど、2人で過ごす時間のいとおしさが胸に残る一冊です。

夢を追いかけた経験がある人や、切ない恋愛小説を探している人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『劇場』又吉直樹(著)

著者又吉直樹(またよしなおき)
タイトル劇場
出版社新潮社
発売日2019/8/28
ページ数256ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴–
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
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虹(工藤 あかり)の表紙

虹

工藤あかり(著)

十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

育休中の真弓は、雨の日に十九歳の頃の日記を開く。出会い系アプリで出会った男、傷心の一人旅で出会った写真好きの青年――。二つの出会いと別れを綴った、喪失と再生の恋愛回想録。

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