【感想】『余命10年』小坂流加【明るさの裏に隠した生への諦めに心を揺さぶられる】

【感想】『余命10年』小坂流加【明るさの裏に隠した生への諦めに心を揺さぶられる】 本・書籍
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「『余命10年』って、どんな物語なの?」
「闘病ものの恋愛小説と聞いたけど、ありきたりな話じゃないかな?」

本作は累計80万部※を超える人気作で、2022年には小松菜奈さん・坂口健太郎さんの主演で映画化もされました。映画をきっかけに原作が気になっているものの、読むかどうか迷っていませんか。
※参考:文化通信

本作で描かれるのは、恋はしないと決めた余命10年の茉莉が再会した和人に惹かれ、病気を隠したまま心を揺らす姿です。著者自身も茉莉と同じ難病を抱えながら本作を書き、文庫版の刊行を待たずに2017年に亡くなっています。

余命と向き合う日々を飾らない言葉で綴った本作を読めば、自分に残された時間の使い方を見つめ直したくなります。ただ、本作が自分に合う一冊かどうかを、紹介文だけで判断するのは難しいですよね。

そこで本記事では、実際に小説家・小坂流加さんの『余命10年』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。先に感想を読んでおくと、手に取るべきかどうかがきっと見えてくるはずです。

命と向き合う物語を読みたい人や、切なさの残る恋愛小説を探している人こそ、次に読む本を選ぶときの参考にしてみてください。

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虹

工藤あかり(著)

十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

むかし書いた日記をきっかけに、十九歳で出会った男との記憶が蘇る――。二つの出会いと別れを綴った恋愛回想小説

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者小坂流加(こさかるか)
タイトル余命10年
出版社文芸社
発売日2017/5/15
ページ数358ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
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概要・あらすじ

20歳の茉莉(まつり)は、数万人に1人という不治の病と診断され、余命が10年であることを知る。家族に心配をかけまいと明るく振る舞う一方で、何を始めても最後までやり遂げられない現実を前に、茉莉は少しずつ未来に期待しなくなっていく。漫画を描くことやコスプレに打ち込みながら、恋だけはしないと決めて日々を過ごしていた。そんなある日、茉莉は同窓会で小学校時代の同級生・和人(かずと)と再会する。病気のことを打ち明けられないまま、茉莉は和人との距離を縮めていく。限られた時間を生きる女性の10年を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 明るさの裏に隠した生への諦めに心を揺さぶられる
  • 恋をためらう茉莉の葛藤が切ない
  • 著者が同じ病を抱えていたと知ると重みが増す

本作は、不治の病で余命10年と知った20歳の茉莉が、残された時間の中で生き方や恋と向き合っていく長編小説です。物語の序盤では、茉莉が家族とともに病名を告げられる場面が描かれます。家族が動揺する中、茉莉だけは笑顔で主治医の話を聞き、周りを気遣おうとします。

病と付き合いながら暮らす中で、茉莉が直面するのは、何を始めても途中で諦めるしかない現実です。やがて茉莉は未来に期待することをやめ、恋だけはしないと心に決めます。その一方で、茉莉が夢中になったのは、漫画を描くことやコスプレでした。

そんなある日、茉莉は同窓会で、小学校時代の同級生・和人と再会します。病気のことを打ち明けられないまま、茉莉は和人と会う時間を少しずつ重ねていきます。和人と過ごす時間が増えるほど、試されていくのは恋をしないという茉莉の決意です。

まず印象的なのは家族を気遣って笑顔を見せる茉莉の姿で、明るさの裏に隠した生への諦めに心を揺さぶられます。和人を想う気持ちを抑え込もうとする茉莉の葛藤も描かれ、楽しい場面ほど切なさが募るでしょう。また、この物語が著者自身の闘病と重なると知ると、フィクションでありながら一つ一つの言葉が重く響きます。

闘病ものとしては王道の展開に感じられるかもしれませんが、綺麗ごとだけでは済まない茉莉の弱さや迷いが、彼女を身近な存在に感じさせます。茉莉の10年をたどった後は、自分が本当に大切にしたいものは何かを静かに問い直すきっかけになるでしょう。

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まとめ

本作は、不治の病で余命10年と知った20歳の茉莉が、残された時間の中で生き方や恋と向き合っていく長編小説です。恋をしないと決めていた茉莉は、同窓会で再会した和人と時間を重ねるうちに、少しずつ心を揺らしていきます。病気を隠したまま過ごす日々の中に、喜びと切なさが同居する作品です。

家族を気遣う明るさの裏にある茉莉の不安や迷いは、読む人に限られた時間をどう生きるかを問いかけてきます。著者自身が同じ難病を抱えながら書いた物語ならではの重みを感じられるでしょう。

命と向き合う物語にじっくり浸りたい人や、切なさの残る恋愛小説を探している人は、ぜひチェックしてみてください。

今回取り上げた本『余命10年』小坂流加(著)

著者小坂流加(こさかるか)
タイトル余命10年
出版社文芸社
発売日2017/5/15
ページ数358ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞
おすすめ度★★★☆☆(Sランク)
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虹

工藤あかり(著)

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育休中の真弓は、雨の日に十九歳の頃の日記を開く。出会い系アプリで出会った男、傷心の一人旅で出会った写真好きの青年――。二つの出会いと別れを綴った、喪失と再生の恋愛回想録。

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