【感想】『蛇にピアス』金原ひとみ【痛みでしか生を実感できない若者の孤独】

【感想】『蛇にピアス』金原ひとみ【痛みでしか生を実感できない若者の孤独】 本・書籍
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モノカフェ文庫

「金原ひとみの『蛇にピアス』ってどんな小説なの?」
「芥川賞を受賞した作品らしいけど、実際に読んで面白いのかな?」

本作は第130回芥川賞を受賞し、50万部※を突破した話題作。受賞当時20歳だった著者のデビュー作で、2008年には吉高由里子さんの主演で映画化もされました。名前は聞いたことがあるものの、読むかどうかを決められずにいませんか。
※参考:Business Insider Japan

主人公はスプリットタン※を持つ青年・アマと出会った19歳の女性・ルイ。本作では、身体改造の深みにはまっていく彼女が、アマと刺青師・シバの間で迷い続ける姿が描かれます。
※舌の先を縦に割り、蛇のように二股にする身体改造

読後は刹那的に生きる若者の危うさと、その裏にある寂しさを感じ取れます。とはいえ、本作が自分にとって面白い一冊かどうかは、評判だけでは見えてきませんよね。

そこで本記事では、実際に小説家・金原ひとみさんの『蛇にピアス』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。読み終える頃には、本作が自分の好みに合うかどうかがイメージできているでしょう。

純文学に触れてみたい人や、若者の生きづらさを描いた小説に関心がある人こそ、ぜひ最後までご覧ください。

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十九歳、恋も、別れも、初めてだった。

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者金原ひとみ(かねはらひとみ)
タイトル蛇にピアス
出版社集英社
発売日2006/6/28
ページ数128ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第27回すばる文学賞
【受賞】第130回芥川龍之介賞
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
楽天https://a.r10.to/hRSaKy
Amazonhttps://link.amazon/B07vgC7p4

概要・あらすじ

19歳のルイはクラブで出会ったアマの、蛇のように先が2つに割れた舌に心を奪われる。スプリットタンと呼ばれるその身体改造に憧れ、アマに連れられて刺青師・シバの店を訪れたルイは、舌にピアスを開けた。ピアスの穴を少しずつ広げていく痛みに、次第にのめり込んでいく。やがて背中に刺青を入れることを決め、恋人・アマと暮らしながらも、サディスティックなシバとひそかに関係を持つようになる。身体改造と痛みに生きている手応えを求める若者の姿を描いた一冊。

感想・おすすめポイント

  • 痛みでしか生を実感できない若者の孤独が胸に残る
  • ルイとアマとシバの危うい三角関係から目が離せない
  • 飾り気のない短い文章で読みやすい

本作はスプリットタンに魅せられた19歳のルイが、舌ピアスや刺青といった身体改造にのめり込んでいく小説です。ルイはクラブで知り合ったアマの、先が2つに割れた舌を見て、自分も同じ舌になりたいと考えるようになりました。パンクな装いのアマは出会ったばかりのルイにまっすぐな好意を向ける青年です。

アマに連れられてルイが訪れたのは刺青師・シバが営む店でした。ルイはそこで舌にピアスを開け、穴を少しずつ広げていく痛みに強く惹かれていきます。続いてルイが望んだのはシバの手で背中に刺青を入れることでした。

アマと暮らしながらも、ルイはサディスティックなシバに心を引き寄せられ、アマに隠れて関係を持つようになります。一途な愛情を注ぐアマと危うい魅力を持つシバの間で、ルイの心は揺れ動いていきます。どちらの想いにも答えを出せないまま、ルイが没頭していくのはさらなる身体改造の痛みです。

特に身体を変えることで自分の存在を確かめるルイの姿が印象的で、痛みでしか生を実感できない若者の孤独が胸に残ります。ルイを大切にするアマと得体の知れないシバ、対照的な2人との宙に浮いたままの関係の行方も本作に引き込まれる理由の一つです。飾り気のない短い文章で綴られているため、純文学に慣れていなくても読み進めやすく感じられます。

身体改造や性、暴力の描写が続くため、気軽に読める作品とはいえなさそうです。ただ、だからこそ過激な場面の合間にふと見えるルイの空虚さが際立ち、本作の読みどころにもなっています。読み終えた後は自分にとって生きていると感じられる瞬間はどこにあるのかを改めて問い直したくなるでしょう。

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まとめ

本作はスプリットタンに魅せられた19歳のルイが、舌ピアスや刺青といった身体改造にのめり込んでいく小説です。一途に想いを寄せるアマと刺青師・シバの間で、ルイの心は揺れ動いていきます。短く飾り気のない文章でルイの危うい日々が生々しく綴られる作品です。

痛みを通してしか生きている感覚を確かめられないルイの姿からは、若者の孤独や生きづらさが伝わってきます。過激な場面の奥にある寂しさに目を向けると、身体改造に走るルイの選択も少し違って見えてくるかもしれません。

刹那的に生きる若者の心の内に触れてみたい人や、一筋縄ではいかない恋愛小説を探している人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『蛇にピアス』金原ひとみ(著)

著者金原ひとみ(かねはらひとみ)
タイトル蛇にピアス
出版社集英社
発売日2006/6/28
ページ数128ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第27回すばる文学賞
【受賞】第130回芥川龍之介賞
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
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