【感想】『恋愛中毒』山本文緒【人を愛しすぎることの危うさが胸に迫る】

【感想】『恋愛中毒』山本文緒【人を愛しすぎることの危うさが胸に迫る】 本・書籍
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モノカフェ文庫

「山本文緒さんの『恋愛中毒』ってどんな物語なの?」
「怖いと評判だけど、自分が読んでも楽しめるかな?」

本作は第20回吉川英治文学新人賞の受賞作で、2000年には薬師丸ひろ子さん・鹿賀丈史さんの出演でドラマ化もされました。タイトルは知っているものの、読むかどうかを決められずにいませんか。

物語の中心にあるのは、他人を愛しすぎないと心に決めていた女性が、人気作家と出会い、妻や愛人の存在を知りながらも離れられなくなっていく姿です。今は事務員として働く彼女が、かつての恋を若い後輩に語り聞かせる形で話は進んでいきます。

読み進めるうちに、人を好きになる気持ちと依存の境目について考えさせられます。とはいえ、怖いと言われる理由や読後感の重さは評判だけでは見えてきませんよね。

そこで本記事では、実際に小説家・山本文緒さんの『恋愛中毒』を読んだ感想を紹介していきます(ネタバレなし)。本記事を読めば、本作の重さや怖さが自分に合うかどうかを、読む前に判断しやすくなるでしょう。

特に嫉妬や執着まで描いた恋愛小説を読みたい人や、恋にのめり込んだ経験がある人は、ぜひ読む前に目を通してみてください。

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※本記事に掲載している内容は、記事執筆時点の情報に基づいています。最新情報は各公式サイトにてご確認ください
※記事ごとにニーズなどが異なるため、順位はおすすめ度(ランク)と異なる場合がございます

基本情報

著者山本文緒(やまもとふみお)
タイトル恋愛中毒
出版社KADOKAWA
発売日2002/6/25
ページ数416ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第20回吉川英治文学新人賞
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
楽天https://a.r10.to/h5kZpz
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概要・あらすじ

編集プロダクションで事務員として働く水無月(みなづき)は、職場の若い後輩にかつての自分の恋を語り始める。離婚を経験し、他人を愛しすぎないと心に決めていた水無月は翻訳の仕事を細々と続けながら、弁当屋で働いていた。そこで出会ったのが、テレビにも出演する人気作家・創路功二郎だった。強引で甘えたがりな創路に気に入られた水無月は彼の事務所で働くようになり、愛人の一人として関係を深めていく。しかし創路には妻がおり、他にも何人もの愛人がいた。恋愛感情の極端な一面を描いた長編小説。

感想・おすすめポイント

  • 人を愛しすぎることの危うさが胸に迫る
  • 淡々とした語りからにじみ出る執着が怖い
  • 相手の気持ちを確かめずにはいられない姿が生々しい

本作は、離婚を経験した女性・水無月が、奔放な人気作家・創路と出会い、その関係に深く入り込んでいく長編小説です。物語は事務員として働く現在の水無月が職場の後輩に昔の出来事を打ち明ける形で進みます。翻訳の仕事だけでは暮らせなかった当時の水無月は弁当屋で働きながら、人と深く関わらないように日々を送っていました。

そんな水無月の前に現れた創路は調子がよく、周りの人を振り回してばかりいる男性でした。創路に気に入られた水無月はやがて彼の事務所で働くようになり、愛人の一人として関係を持ちます。固く閉ざしていたはずの水無月の心は少しずつ創路に傾いていきます。

しかし創路には妻がいるうえ、他にも何人もの愛人がいました。創路の事務所で水無月と一緒に働く女性も、その一人です。創路を取り巻く女性たちのことを知って胸の内をかき乱されながらも、水無月は数いる愛人の中で一番になろうと、無理を重ねるようになっていきます。

何といっても、水無月の想いがいつの間にか行きすぎたものに変わっていく過程が印象に残り、人を愛しすぎることの危うさが胸に迫ります。落ち着いた語り口から少しずつにじみ出る、相手を手放せない執着も怖さの一つです。相手の気持ちを確かめずにはいられない水無月の姿にも痛々しいほどのリアルさがあります。

甘い恋愛小説を期待して読むと、終盤で一気に暗転する展開や、読後に残る重さに戸惑うかもしれません。それでも恋をすれば誰の中にも生まれうる嫉妬や執着が丁寧に描かれ、どこか他人事とは思えない物語です。読み終えた後は、相手を大切に思うこととしがみつくことの違いが見えてくるでしょう。

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まとめ

本作は、離婚を経験した女性・水無月が、奔放な人気作家・創路との関係にのめり込んでいく長編小説です。弁当屋で創路と出会い、事務所で働き始めた水無月は妻や愛人たちの存在を知りながらも、創路から離れられなくなっていきます。現在の水無月が過去を振り返る静かな語りの中に、少しずつ不穏な影が差していく作品です。

相手を思う気持ちが行きすぎたとき、恋は人を縛るものにもなり得ることを、本作は静かに突きつけてきます。嫉妬や執着といった恋愛の暗い面にまで踏み込んだ物語をじっくり味わえます。人を好きになる気持ちと依存の境目を改めて見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

甘いだけではない恋愛小説を読みたい人や、人の心の危うさに触れる物語が好きな人は、ぜひ読んでみてください。

今回取り上げた本『恋愛中毒』山本文緒(著)

著者山本文緒(やまもとふみお)
タイトル恋愛中毒
出版社KADOKAWA
発売日2002/6/25
ページ数416ページ
ジャンル恋愛
受賞・候補歴【受賞】第20回吉川英治文学新人賞
おすすめ度★★☆☆☆(Aランク)
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Written byこの記事を書いた人

モノカフェ編集部

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