「ドロドロした話ではなく、まっすぐな純愛を描いた恋愛小説ってある?」
「純愛小説を読みたいけど、どれが自分の好みに合うか分からない…」
恋愛小説を読むなら、愛憎劇よりも一途な想いに心を動かされたいと思ったことはありませんか。読み終えた後に、人を大切に想う気持ちを改めて感じられる物語に出会いたい人も、きっと多いはずです。
純愛を描いた恋愛小説には、一人の相手を何年も想い続ける恋から、見返りを求めない献身まで、さまざまな想いの形があります。
まっすぐな想いに触れると、大切な人との関係を見つめ直すきっかけになります。ただ、同じ純愛でも高校生の恋や大人の恋など描かれ方はさまざまで、自分に合う一冊を選ぶのは難しいものです。
そこで本記事では実際に読んだ本の中から、純愛を描いた恋愛小説をランキング形式で紹介していきます(ネタバレなし)。本記事を読めば、自分の好みに合う純愛小説を選びやすくなるでしょう。
特にドロドロした愛憎劇に疲れた人や、一途な想いに心を動かされたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
純愛を描いた人気おすすめ恋愛小説
- 【1位】『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド
- 【2位】『容疑者Xの献身』東野圭吾
- 【3位】『君の膵臓をたべたい』住野よる
- 【4位】『汝、星のごとく』凪良ゆう
【1位】『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド
概要・あらすじ
1922年、中西部出身のニック・キャラウェイは、証券の仕事を学ぶためにニューヨークに出てきて、郊外に小さな家を借りる。隣の豪邸に住むのは、週末ごとに盛大なパーティーを開くジェイ・ギャツビーという富豪だが、その素性を知る者はいない。入り江を挟んだ対岸にはニックの遠縁にあたるデイズィが、夫・トムと暮らしていた。やがてニックは、ギャツビーとデイズィの間に秘められた過去があることを知る。第一次世界大戦後の好景気にわき、禁酒法のもとでもジャズと酒に浮かれた1920年代のアメリカを舞台に、かつての恋人を想い続ける男の姿を描いた、フィッツジェラルドの代表作。
感想・おすすめポイント
- 華やかな暮らしの裏にある孤独が切ない
- 謎に包まれた富豪の正体が明かされていく
- 1920年代の煌びやかな社交界の空気に浸れる
本作はニューヨーク郊外に越してきた青年・ニックが、隣に住む謎の富豪・ギャツビーの秘めた過去を知っていく長編小説です。舞台は1922年で、第一次世界大戦から戻ったニックは、証券の仕事を学ぶために中西部からニューヨークに出てきました。ニックが借りた小さな家の隣にそびえるのがギャツビーの豪邸です。
入り江を挟んだ対岸の屋敷に暮らすのはニックの遠縁・デイズィと、大学時代からの知り合いである夫・トムです。一方、ギャツビーは週末ごとに盛大なパーティーを開いていましたが、大勢の客が集まるにもかかわらず、主の素性を知る者は誰もいません。屋敷では人を殺したことがある、ドイツのスパイだったといった噂まで飛び交っていました。
やがてギャツビー本人と言葉を交わすようになったニックは、デイズィの友人から、ギャツビーとデイズィがかつて恋人同士だったことを聞かされます。さらに、その友人を通して、デイズィをニックの家に招いてほしいというギャツビーの頼みが伝えられました。ニックはその頼みを引き受け、2人の再会の場を整えていきます。
特に印象に残ったのはにぎやかな宴の主でありながら、どこか満たされない様子のギャツビーの姿で、華やかな暮らしの裏にある孤独が切なく胸に残ります。冷静な語り手であるニックのまなざしから、謎めいた富豪の素顔が少しずつ見えてくる構成も巧みです。週末ごとの宴に彩られた当時の社交界の描写も煌びやかで、物語の世界にすっと浸れるでしょう。
一方で、修飾の多い文章や古風な言い回しに慣れるまでは、少し読みにくく感じる人もいるかもしれません。ただ、ギャツビーの過去が明らかになるにつれて、物語はぐっと面白さを増していきます。読み終えた後はギャツビーがなぜそこまで過去にこだわり続けたのかをじっくり考えたくなるでしょう。
基本情報
| 著者 | F・スコット・フィッツジェラルド |
| 訳者 | 野崎孝(のざきたかし) |
| タイトル | グレート・ギャツビー |
| 出版社 | 新潮社 |
| 発売日 | 1974/7/2 |
| ページ数 | 320ページ |
| ジャンル | 恋愛 |
| 受賞・候補歴 | – |
| おすすめ度 | ★★★★★(SSSランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/hPvWWo |
| Amazon | https://link.amazon/B02hQKgaH |
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【2位】『容疑者Xの献身』東野圭吾
概要・あらすじ
天才的な数学の才能を持ちながら、高校の数学教師として不遇な日々を送る石神哲哉(いしがみてつや)。彼はアパートの隣で娘と暮らす花岡靖子(はなおかやすこ)に、ひそかに想いを寄せていた。ある日、つきまとってきた元夫を靖子と娘が殺してしまったことを知った石神は、二人を救うために完全犯罪を企てる。刑事・草薙(くさなぎ)は捜査を進める中で、大学時代の友人である物理学者・湯川学(ゆかわまなぶ)に相談を持ちかける。こうして湯川は、かつて才能を認め合った旧友・石神の組み立てた謎に挑むことになる。天才同士の頭脳戦と、一人の男の献身を描いた一冊。
感想・おすすめポイント
- 見返りを求めない献身の切なさに胸を打たれる
- 天才数学者と天才物理学者の頭脳戦が面白い
- 登場人物たちのその後が気になる余韻を感じる
本作は、天才数学者・石神がある殺人事件の真相を隠し通そうとする倒叙ミステリーです。石神は数学の才能を持ちながら、高校の数学教師として冴えない日々を送っています。そんな彼がひそかに想いを寄せているのが、隣の部屋で娘と暮らす花岡靖子です。
ある日、靖子と娘は、つきまとってきた元夫を殺してしまいます。事件を知った隣人・石神は、二人を守るために完全犯罪を企てます。
刑事・草薙が聞き込みで訪ねた石神は、物理学者・湯川の大学時代の友人でした。草薙から事件の相談を受けた湯川は、久しぶりに石神と再会することに。かつてお互いの才能を認め合った天才二人が、事件をめぐって静かにぶつかっていきます。
特に印象に残ったのは見返りを求めない石神の献身ぶりで、終盤は胸が締め付けられる想いになります。また、天才数学者と天才物理学者による頭脳戦は読みごたえがあり、会話の端々に漂う緊張感も見どころです。犯人は最初から分かっていますが、どんなトリックなのか、湯川がどう真相に迫るのかが気になって最後まで一気に読み進められます。
謎解きを楽しめるミステリーでありながら恋愛小説としても読め、登場人物たちのその後が気になるような余韻も魅力です。シリーズを読んでいなくても話は理解できるため、ガリレオシリーズを初めて読む人にもおすすめです。人を想う気持ちがどこまで人を動かすのか、その重さが静かに胸に迫ります。
基本情報
| 著者 | 東野圭吾(ひがしのけいご) |
| タイトル | 容疑者Xの献身 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2005/8/29 |
| ページ数 | 360ページ |
| ジャンル | ミステリー |
| 受賞・候補歴 | 【受賞】第134回直木三十五賞 【受賞】第6回本格ミステリ大賞 【候補】2012年エドガー賞 最優秀長編賞(英訳版) |
| おすすめ度 | ★★★★☆(SSランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/h91qUv |
| Amazon | https://link.amazon/B08K3kvhM |
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【3位】『君の膵臓をたべたい』住野よる
概要・あらすじ
高校生の「僕」は病院で1冊の文庫本を拾う。「共病文庫」と題されたそれは、クラスメイトの山内桜良(やまうちさくら)がひそかに書き綴っていた日記だった。そこには桜良が膵臓の病気を患い、残された時間がわずかであることが記されていた。家族以外でただ1人、桜良の秘密を知ることになった「僕」は、その日から彼女の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合わされていく。人と関わることを避けてきた「僕」と、クラスの人気者で明るい桜良。正反対の2人が過ごす、かけがえのない日々を描いた一冊。
感想・おすすめポイント
- 何気ない毎日の尊さに気づかされる
- 正反対の2人の軽妙な掛け合いが楽しい
- 重い題材でも軽やかに読み進められる
本作は、人との関わりを避けてきた高校生の「僕」が、余命わずかなクラスメイト・桜良と過ごす日々を描いた長編小説です。物語は「僕」が病院で1冊の文庫本を拾ったことから動き出します。それは膵臓の病気を抱える桜良が家族以外には明かさずに書き続けていた秘密の日記でした。
日記を読み、家族以外で唯一病気のことを知る存在となった「僕」は、その日から桜良に振り回されるようになります。明るく振る舞う桜良は、戸惑う「僕」をお構いなしに食事や旅行にまで連れ出していきます。同じ図書委員として過ごす時間も重なり、2人は少しずつ言葉を交わすようになっていきました。
一方、桜良の親友・恭子(きょうこ)は急に桜良と親しくなった「僕」に不信感を募らせていきます。桜良に好意を寄せる同級生からも反感を買い、「僕」はこれまで避けてきた人との関わりに向き合わざるを得なくなります。
特に残された時間を明るく生きようとする桜良の姿が印象的で、何気なく過ぎていく毎日がどれほど尊いものなのかに気づかされます。軽口をたたき合う正反対の2人の会話にもテンポがあり、掛け合いを追うだけでも楽しめるでしょう。余命という重い題材を扱いながらも文章は軽やかで、重くなりすぎずに読み進められます。
ただ、会話の軽さや登場人物の言動がライトノベルのようだと感じ、物足りなさを覚える人もいるかもしれません。それでも、人と関わってこなかった「僕」が桜良と過ごす中で少しずつ変わっていく姿に静かに心を動かされます。本を閉じた後は、身近な人と過ごす時間をこれまで以上に大切にしたいと思えるでしょう。
基本情報
| 著者 | 住野よる(すみのよる) |
| タイトル | 君の膵臓をたべたい |
| 出版社 | 双葉社 |
| 発売日 | 2017/4/27 |
| ページ数 | 328ページ |
| ジャンル | 恋愛/青春 |
| 受賞・候補歴 | 【受賞】Yahoo!検索大賞2016 小説部門賞 【候補】2016年本屋大賞(2位) |
| おすすめ度 | ★★★☆☆(Sランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/h5jokP |
| Amazon | https://link.amazon/B08m5LXdl |
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【4位】『汝、星のごとく』凪良ゆう
概要・あらすじ
瀬戸内の島で育った高校生の暁海(あきみ)は、父が愛人のもとに行ってしまい、不安定になった母と暮らしている。そこに京都から転校してきたのが、恋愛に奔放な母に振り回されてきた櫂(かい)。似た孤独を抱える二人は惹かれ合うが、卒業後は漫画原作の仕事が軌道に乗った櫂が上京し、暁海は母を支えるために島に残る。離れて暮らすうちに、二人の気持ちは少しずつすれ違っていく。恋愛だけでなく家族やお金、仕事の問題にも向き合いながら成長していく二人の15年間を描いた一冊。
感想・おすすめポイント
- 自分の人生を生きるとは何かを考えさせられる
- 親に振り回される二人のリアルな苦しさ
- 二人の視点で描かれる15年間のすれ違いが切ない
本作は身勝手な親に振り回されながら生きる、暁海と櫂の15年間を描いた恋愛小説です。暁海は瀬戸内の島で、父が愛人を作って家を出た後に不安定になった母を気遣いながら暮らす高校生です。そこに母の恋愛に振り回されて京都から転校してきた櫂が現れ、似た境遇の二人は惹かれ合います。
高校を卒業すると、漫画原作の仕事が軌道に乗った櫂は上京し、暁海は母を放っておけず島に残ります。島を出るつもりだった暁海にとって、地元の会社への就職はやむを得ない選択です。こうして二人の遠距離恋愛が始まります。
櫂は作画担当の尚人(なおと)と組んだ漫画がヒットし、東京で忙しい日々を送るようになります。一方で、暁海は男女差別の残る職場で昇給も難しく、少ない給料で母を支える毎日です。暮らしぶりが離れていく中で、二人の気持ちは少しずつすれ違っていきます。
特に自分の人生を生きるとは何かを考えさせられる点が印象的で、親に縛られながら生きる二人の物語だからこそ強く響きます。暁海だけでなく、櫂も離れた場所から母のお金の求めに応じ続けており、親から離れられない姿にはもどかしさを覚えるでしょう。全体を通して、二人の視点が交互に入れ替わるため、お互いの思いがすれ違う場面はより切なく感じられます。
明るい恋愛小説を求める人には向きませんが、特に家族との関係に悩んだことがある人や、自分の生き方を見つめ直したい人にはおすすめです。重いテーマではあるものの文章は読みやすく、先が気になって最後まで読み進められます。親との関係に縛られながらも道を模索する二人の姿は、恋愛だけでなく家族や仕事も含めた人生の選び方を問いかけてきます。
基本情報
| 著者 | 凪良ゆう(なぎらゆう) |
| タイトル | 汝、星のごとく |
| 出版社 | 講談社 |
| 発売日 | 2022/8/4 |
| ページ数 | 352ページ |
| ジャンル | 恋愛 |
| 受賞・候補歴 | 【受賞】第20回本屋大賞 【受賞】第10回高校生直木賞 【候補】第168回直木三十五賞 【候補】第44回吉川英治文学新人賞 |
| おすすめ度 | ★★★☆☆(Sランク) |
| 楽天 | https://a.r10.to/hRp7Kl |
| Amazon | https://link.amazon/B04sbL1Wq |
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まとめ
純愛小説の魅力は、駆け引きや打算ではなく、相手を想う気持ちそのものが物語を動かしていく点です。高校生の関係を描いた青春小説から大人の恋まで、登場人物の年代や物語の舞台もさまざまなので、読む時期によって心に響く一冊も変わってくるでしょう。
まっすぐな想いに触れると、人を大切に想うことの尊さと、その想いを貫く難しさの両方に気づかされます。読み終えた後は、身近な人との関係や自分の恋愛を、きっと見つめ直したくなるはずです。
一途な想いに心を動かされたいときは、ぜひ今の気分に近い恋の形から一冊選んでみてください。


