「死体を扱った本ってある?」
「監察医や法医解剖医が書いたおすすめ本を知りたい!」
医師が書いた本の中には監察医や法医解剖医が書いた本もあり、さまざまな死体を見た経験が綴られた本を読むと、自分や大切な人の死を考えるきっかけにもなります。
そこで本記事では元監察医や法医解剖医が書いた、死体に関するおすすめ本をランキング形式で紹介していきます。
監察医や法医解剖医から見た死体…!ちょっと怖いけど死を考えるきっかけにもなるおすすめ本2選
実際に読んだ本の中から元監察医や法医解剖医が書いた、死体に関するおすすめ本をランキング形式で紹介していきます。
【1位】『死体は語る』上野正彦
基本情報
著者 | 上野正彦(うえのまさひこ) |
タイトル | 死体は語る |
出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2001/10/10 |
ページ数 | 193ページ |
ジャンル | ノンフィクション |
受賞・候補歴 | – |
感想・おすすめポイント
- 人間模様を感じられる
- さまざまな事件の裏側を知ることができる
- 生の尊さを感じられる
本書は元監察医という立場から綴られたノンフィクションで、さまざまなエピソードが短編エッセイのように書かれています。
エピソードとしては自殺や事故、心中、殺人事件などが多く扱われており、全体的にドロドロとした部分も含めた人間模様を感じられるのが魅力です。
特に事件・犯罪性のある死に関するエピソードが多く、主婦がめった刺しにされた事件や大学院の女子大生が殺された事件、心中のように見えた殺人事件、ガス自殺や就寝中の病死に見せかけた殺人事件、殺人犯と警部補(警察幹部)の心中のような事件など。
また下記の有名な事件・事故にも触れられているため、事件や犯罪に興味がある人にもおすすめできます。
もちろん全体を通して面白おかしく書かれているわけではなく、生の尊さを伝えるという想いを感じられる内容です。
本書に登場する有名な事故・事件
- 小笛事件(1929年):自殺か他殺かで議論になった事件
- 阿部定事件(1936年):愛人男性の局部を切り取った猟奇的な殺人事件
- チフス菌饅頭事件(1939年):女医が饅頭にチフス菌を混入させて食べさせた事件
- 浅沼稲次郎刺殺事件(1960年):日本社会党委員長・浅沼稲次郎(政治家)が刺殺された事件
- 三河島事故(1962年):死者160名も出した列車脱線多重衝突事故
- カレン・クインラン事件(1975年):尊厳死や死ぬ権利に大きな影響を与えた事件
- ホテルニュージャパン火災(1982年):死者33名も出した高級ホテル火災
関連記事
【2位】『死体格差 解剖台の上の「声なき声」より』西尾元
基本情報
著者 | 西尾元(にしおはじめ) |
タイトル | 死体格差 解剖台の上の「声なき声」より |
出版社 | 双葉社 |
発売日 | 2017/3/8 |
ページ数 | 173ページ |
ジャンル | ノンフィクション |
受賞・候補歴 | – |
感想・おすすめポイント
- 死体から見える格差
- さまざまな死を取り上げている
- ちょっとした専門知識も学べる
本書は死体から見える格差をテーマにしたノンフィクションで、著者は20年に渡り死体を解剖してきた法医解剖医です。
本書には路上生活者や生活保護受給者、認知症患者、アルコール依存症患者、孤独な独居者、いじめを苦に自殺した少年、アパートで凍死した男性、暴行を受けて亡くなった男性、浴槽や老人ホーム内で死んだ高齢者など、さまざまな人たちの死が取り上げられています。
それらの死から精神疾患患者と事件の関連性や、老老介護(=高齢者の介護を高齢者が行うこと)の実態、借金と自殺の関係(いくら借金があると自殺を考えるのか)などに関する問題も。
また糖尿病や熱中症などの意外と身近に潜む死についても書かれているほか、法医解剖の実情や法医解剖医の仕事などにも触れられています。
本書を読むとさまざまな死があることを感じられるのに加え、ちょっとした専門知識も解説されていて学べるので法医学に興味がある人にもおすすめです。
まとめ
今回紹介した本ではさまざまな死が取り上げられており、法医学について学べるところもあります。
またちょっと怖いところもありますが、生の尊さを感じられたり、自分や大切な人の死を考えるきっかけになったりするので、ぜひ読んでみてください。