数々の戦闘シーンに、胸が搔きむしられた。でも、私に希望もくれた戦争映画

ショートエッセイ
<スポンサーリンク>

「自分の息子の最期が、こんな姿だったら…。想像もしたくない!」

 2017年度アカデミー賞受賞作品『ハクソー・リッジ』で、メル・ギブソン監督が忠実に再現した戦闘シーンの数々を見て、私は胸が掻きむしられました。

 と同時に私自身の弱さと向き合うことを迫られた作品でした。

 本作は第二次世界大戦の沖縄戦で、実在する米軍衛生兵の姿を描いた戦争ドラマです。

 映画を観て初めて、この戦争が沖縄住民に地獄の苦しみを与えただけでなく、米軍の兵士も耐えがたい苦しみの中にいたと知りました。

 陸軍に志願した主人公デズモンド・ドスが、宗教上の理由から銃を持つことを拒否したために、何度も除隊を迫られ仲間たちからもいじめられ軍法会議にかけられます。

 しかし意外な人物に助けられ、無事ドスは衛生兵として戦地へ赴きます。そこはアメリカ軍が史上最大の苦戦を強いられている過酷な戦場ハクソー・リッジ(前田高地)でした。

 恐怖の中で死闘を繰り広げ、1日目の戦いが終わります。休んで良いといわれてもドスは救助を続けます。

 その姿に、当初ドスを軽蔑していたスミティが、彼の援護を申し出ます。救助を終え、一緒に穴に隠れて腰を下ろし、2人とも家族のことで苦しんできた過去について語りあい、互いに最大の理解者になっていきます。

 最高の人間ドラマだなと感動したのもつかの間、その絆すらも一瞬にして無に帰したのです。これが戦争の実態なんだ…。

 亡き戦友たちを思い苦悩したドスは、75人もの取り残された負傷兵を人知を超えた奮闘で救出するという奇跡を起こします。その姿に、ドスをいじめ抜いた人たちが誤りを認め、ドスの信仰を最大に尊重するように…。

 最後、ドスのおかげで最高に士気が高まった米軍が勝つのですが、米兵も日本兵も壮絶な死に方をするシーンに胸が張り裂けそうになり「二度と悲惨な戦争が起きないように」と祈らずにはいられませんでした

 上映後も祈り続ける中でふと「今の私には、戦争の悪を口にする資格はない…」と思い至りました。

 幼い息子が傍若無人に振る舞うたびに、彼の人格が傷つくほど怒る私。彼にとっては戦争と同じくらい苦しいことかもしれない…。情けなくて自分が嫌になります。

 でも、この映画は私に、希望もくれたのです。

 ドスが示したように、「信仰で人がこんなに強くなれるなら、私も強く愛情深い母なることを絶対に諦めないでいよう! あらゆる戦争を無くするためにも!」と。

作品情報

監督メル・ギブソン
出演者アンドリュー・ガーフィールド/サム・ワーシントン/ルーク・ブレイシーなど
上映時間2時間19分(2016)
ジャンル洋画/戦争/アクション
受賞・候補歴第89回アカデミー賞(編集賞/録音賞)など
販売ページ(Amazon)https://amzn.to/3hxgbn2
この記事を書いた人
美海(mimi)

WEBライター。1978年北海道生まれ(兵庫県在住)。趣味:クラシックバレエ/映画鑑賞。学習塾英語講師、介護士を経てライターに。バレエは25歳から。L'Arc〜en〜Cielファン。二児の母。

\モノカフェをフォローする/
ショートエッセイ
\この記事をシェアする/
<スポンサーリンク>

※商品画像は楽天、またはAmazonより引用しています。クリックすると、各販売商品ページに移ります。※価格は記事公開時点での表記となります。セール等により異なる場合がございますので、詳細は各公式サイトにてご確認ください。※豆知識やプチ情報等は編集部にて加筆している場合があり、担当ライターの意見や興味等とは一切関係ございません。

Monotone Cafe(モノトーンカフェ/モノカフェ)